実印作成で失敗しないためのコツ。タイミングや種類、注意点など
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実印作成は時間に余裕を持って行いましょう。即日作成できて質が高い機械彫り手仕上げがおすすめです。印鑑登録できない印鑑を作らないよう、大きさや書体、印面の名前などをあらかじめ決めておく必要があります。
実印は1度作ったら一生ものと言われています。しかし、実際には十分に吟味せず適当に作り、後で後悔してしまう方がたくさんいます。
実印作成で失敗しないために大切なことは、何より十分な時間を取って、下調べをしっかり行うことです。
実印作成は人生の節目で。使うときに慌てて作らないこと
実印を作成するときは時間に余裕を持ちましょう。何らかの手続きで「実印が必要です」と言われて慌てて作り始めて、次のようなミスをしてしまう方がたくさんいます。
- 値段が割高になってしまった
- 質が低く、偽造されやすいものを作ってしまった
- デザインが気に入らない
- そもそも実印登録できないものを作ってしまった
このような事態を避けるためにも、前もって作ることを心掛けましょう。とくに、以下のように人生の変わり目と言われるタイミングで作成することが多いようです。
進学、就職するとき
一人暮らしを始める方が多い時期で、賃貸を借りるときに必要になります。
事業を始めるとき
ビジネスの場では、何かと実印が必要になります。とくに、個人事業主にとっては印鑑の質が自分のステイタスになることもあります。
結婚するとき
女性が作成するもっとも多い時期です。その理由は、名字が変わる方が多いため。なお、結婚する前から名前だけで作成する方もいます。
これらのように、人生の節目で実印を作成するということは、単に「記念として」以上の実用的なメリットがあります。
作り方で変わる実印作成期間。急いでいるなら手彫り以外で
本来なら上記のように時間に余裕を持って作りたいところですが、うっかり忘れてしまっていたという方も多いはず。
急いで作るときは、完成までの期間に注意しましょう。思った以上に作成期間が掛かり、重要な書類の期日が過ぎてしまっては大変です。どれぐらいの時間が掛かるのかは、次のように実印の作り方で変わります。
機械彫り
名前を掘る篆刻(てんこく)と呼ばれる作業を、すべて機械で行うものです。値段が安い他、完成までに時間が掛からない点が魅力です。そのため、即日作成をウリにしているサービスも多く見られます。
ただし、機械にすべて任せるため、仕上がりがどれも似たり寄ったりである点がデメリットです。これは、見た目に特徴がないという他、偽造しやすいという弊害があります。
機械彫りからの手仕上げ
現在、ネット通販を中心に増えているものが、機械で篆刻した後、職人自らが仕上げるというものです。これにより、機械彫りのデメリットである完成品のありきたりさが解消されます。
また、人の手が入る作業はあくまでも最後だけのため、値段がそこまで高くはならず、時間も掛かりません。通販サイトによっては即日発送も可能で、おすすめの作り方です。
手掘り
職人が一から作り上げる、昔ながらの方法です。最高級の実印を求めるなら、1番おすすめの作り方になります。
しかし、作成に2週間ぐらい掛かってしまうことも珍しくないため、急いでいる方にはおすすめではありません。
作成後に後悔しないために、購入までに決めておくべき5つの要素
実印を作成するときに、とくに必要なものはありません。しかし、自分で決めておかなければならないことがたくさんあります。
「こんなことも決めなくちゃいけないんだ」と面倒になって適当に作成すると、後で後悔するかもしれません。次のような項目を、1つ1つじっくり吟味しながら購入してください。
大きさは性別や用途など、自分の状況に合ったものを
実印のサイズは統一されておらず、自分で大きさを決めます。そのとき、慣習や規則を考える必要があります。
たとえば、男女では男性のほうが大きめにするものだという風習があります。個人事業主の場合は実印の質がステイタスにもなるため、少し大きめにすると良いと言われています。そもそも、実印登録できるサイズでなければなりません。
このように、自分の立場や周囲の状況に応じて適切な大きさの実印を作りましょう。
基本はフルネーム。しかし、人によっては名字・名前だけも視野
実印には、「フルネームでなければダメ」という決まりがありません。フルネームで、名字だけ、名前だけのどれでもOKです。
実際のところは、偽造などセキュリティの面で、フルネームが推奨されています。しかし、結婚で名字が変わることを想定する場合など、名前だけにするケースも十分にあり得ます。
書体は耐久・セキュリティ性が高い吉相体や篆書体などから
基本的に、読めるもので、氏名と一致していればどのような書体の実印でも使えます。しかし、捺印したときのイメージが変わる他、耐久性やセキュリティ性でも違いが出てくる要素です。
一般的な書体である楷書体(かいしょたい)や行書体(ぎょうしょたい)などは、実印には使われません。基本的に、次の3つから選びましょう。
- オリジナリティと耐久性がバツグンの吉相体(きっそうたい)
- 個人、法人ともに人気が高い篆書体(てんしょたい)
- 篆書体よりも優しい印象で、女性に人気の太枠篆書体(ふとわくてんしょたい)
素材で変わる捺印性や耐久性、デザイン性、高級さなど
実印そのものに使われる素材によって、捺印のしやすさや耐久性などが変わります。以下はほんの一例で、選択肢がとても豊富な要素です。
- 定番の黒水牛や玄武
- 耐久性の高いチタン
- 高級品の象牙
- 女性に人気の琥珀
装飾やデザインで見た目をおしゃれに。風水を実践する人も多数
手に持つ部分に施される装飾は、実印の機能性とはかかわりがない部分です。しかし、「押せれば良い」と考えるのは少しもったいないことです。おしゃれな印鑑を持っていると、それだけで一目置かれることがあります。
また、意外と人気が高いものが、風水にのっとった装飾。とくに、印鑑の上下を判別するためにつけられる「アタリ」として、金運などのパワーストーンを埋め込むことが多いようです。
印鑑証明登録できない実印を作成しないための、2つの注意点
苦労して作成した実印を市役所に持っていった後に「印鑑証明登録できない」と言われないよう、以下の注意点をしっかり押さえましょう。
各自治体で大きさを確認。大きすぎ、小さすぎは登録できないことも
印鑑証明登録できる実印の大きさは、各自治体で定められています。一般的には「印影が8~25mmの正方形に収まること」とされていますが、ごく稀にそれ以外のサイズが指定されていることがあるようです。
一般的に、男性は直径16.5mm、女性は13.5mmがオーソドックスだと言われています。これらを大きく超えるサイズで実印を作成したい場合は、必ず登録する自治体で規約を確認してからにしましょう。
漢字やひらがなは住民表に登録された氏名のままで
実印に掘られている文字は、住民票に登録されている氏名と一致している必要があります。とくに、次のようなミスが起きがちです。
- 注文するときに漢字を間違えてしまった
- 住民票には旧字体で登録してあるのに、新字体で作ってしまった
なお、ひらがなで登録している方は実印もひらがなにしましょう。無理に漢字にしてしまうと、印鑑証明登録できない恐れがあります。